また、彼女の描く人物は絵画空間に一人たたずみ、 何かを、あるいは誰かを待っているかのように瞑想しているようです。『Contemplate』『Reunion』『Gaze』『Audrey』『Hear the message』という作品はこの雰囲気を深く体現しており、ここに流れている時の流れは、まるで自己陶酔や形而上学的な探求そのものです。また、自身の運命を宇宙からのメッセージとして受け取っているようであり、そこには神秘性が秘められています。発見すべきは普遍的であることや人間の本質的な姿。彼女は、あらゆる出自を持つ人々や、世界中の女性や男性を描くことで、このことこそ、全人類に向けられたメッセージであることを思い起こさせています。これは誰もが受け取ることのできる体験になるでしょう。
美術史教授/美術評論家
エリック・モンサンジョン
河内美穂氏の作品は、リアルな具象画と抽象的なイメージなど、いくつかのスタイルで展開されています。 ある時は人物、またある時は静物や神秘的な風景が描かれ、はっきりと認識できる具象の世界が支配する一方、スピリチュアルなものへの賛歌として、純粋な形を持つ抽象的な世界が支配する作品も存在しています。
また、彼女の描く人物は絵画空間に一人たたずみ、 何かを、あるいは誰かを待っているかのように瞑想しているようです。『Contemplate』『Reunion』『Gaze』『Audrey』『Hear the message』という作品はこの雰囲気を深く体現しており、ここに流れている時の流れは、まるで自己陶酔や形而上学的な探求そのものです。また、自身の運命を宇宙からのメッセージとして受け取っているようであり、そこには神秘性が秘められています。発見すべきは普遍的であることや人間の本質的な姿。彼女は、あらゆる出自を持つ人々や、世界中の女性や男性を描くことで、このことこそ、全人類に向けられたメッセージであることを思い起こさせています。これは誰もが受け取ることのできる体験になるでしょう。
また、“自然“も彼女の作品の中心です。『Mariage』、『bloom』、『Rose heart』シリーズに見られるように、花は人生の節目を飾り、人生に付き添う存在です。バラの花束は、生命と愛を象徴しており、その輝きは特筆すべき美しさです。また、風景画においては、昼と夜が交互に現れる象徴的な作品があり、彼女はこのイメージを通じて、自然や生命のはかない美しさを明らかにしているのです。
そして、『Dozen Roses』です。新しい体験を求める彼女は、この作品を筆頭に具象と抽象を見事に融合させています。モチーフは具象的なものであるはずなのに、水彩で描かれることによって、抽象的な作品へと移行しています。たとえば、抽象的なシリーズ『Cosmic Love』や『planetary energy』と同様です。彼女は非物質的で無常なものに到達するために、力、宇宙のエネルギーを描こうとしているのです。